なぜ?香川県に出店したの?

オープン前から100回ぐらい尋ねられました。

その正式な理由をここに記録しておきます。いつまでも初心を忘れないためにも…

 

10数年前。ラーメンテーマパークのブームの真っ最中でした。

高松市のシンボルタワー内にラーメンテーマパークを作るという事で当時、人気ラーメン店だった

『九州大牟田ラーメン 柳屋』を高松シンボルタワー内に当社のオーナーが出店いたしました。

九州大牟田ラーメン 柳屋 高松店の店長として私、小島は愛知県から香川県にきました。

そこで現在の嫁さんと出会ったわけです。

 

4年間、営業しましたが経営はなかなか苦しく閉店となりました。

結婚を決めていた僕たちでしたが、お店が無くなってしまったので愛知県に帰りました。

愛知県で再び九州大牟田ラーメン 柳屋 安城店の店長を務めました。

 

1年後、僕たちは結婚しました。

結婚式は香川県で挙げました。

 

その結婚式で今後を大きく変える運命的な事件が起きたのです!

 

僕の嫁さんは三姉妹の長女です。

妹が二人います。その妹が、当社の社長に向かってこう言いました。

 

『社長さん…ねえちゃん、いつか香川に帰ってこれますか?』

 

そう尋ねられた当社の社長は、思わず…

 

『当たり前じゃないか!またいつか香川にお店を作って帰してあげるよ!』

 

お酒の勢いもあって、そう約束してしまったのです。

 

そんな口約束…ただのリップサービスといえば済んだかもしれません。

いくらでも反故にすることも出来たと思います。

しかし、社長は事あるごとに…

 

お前の妹たちに約束しちゃったもんなあ…

 

と、香川への出店を考えてくれました。

それは、いつしか社長の目標であり、

僕の目標でした。

 

しかし、会社の仲間を納得させるのは容易な事ではありませんでした。

なぜなら…当時から飲食業界は人手不足に悩まされていたので

どこの店舗も人手不足です。

僕の代わりに柳屋安城店をやってくれる人材の余裕など全くありません。

 

しかし、何とか実績を残して香川出店の足掛かりにしたい!

それだけを目標にがむしゃらに頑張りました!

 

とはいえ、急に一人で張り切ってもバイトはついてきません。

しばらくは空回りして、反感をかったり退社するバイトもいたり…

味や雰囲気が変わったことで常連さんに怒られたり…

 

それでも元々地元だったことで、身内や友人の助けもあり

柳屋安城店はしばらくすると一気に業績があがりました。

 

売上は前年比160%を超えるほど!!

 

これは、香川出店も近いぞ!

 

そう思ったのもつかの間…

 

東日本大震災が起きたのです。

 

 

正直、あの時は日本中がもうダメかも…

 

 

そう思ったんじゃないでしょうか?

 

愛知県ではそれに加えて

原発事故による電力不足を回避する為に

トヨタ系の会社は、土日稼働。平日休みとなりました。

我々飲食店はかなりの打撃をうけたのです。

 

 

もう…どうしていいかわからない…

香川出店どころか…

柳屋の存続さえどうなるか…

 

 

そんな時でした。僕たちの師匠、加茂園の山田大将に焼肉稼業を勧められたのは…

それからは、柳屋の店長業務をこなしながら

夜は、兄弟子と共に焼肉加茂園に修行に行く。

寝る間も無い地獄のような日が約2年ほど続いたのです。

 

 

そして、加茂園の大将の強力なバックアップのおかげで

異例のスピードで

愛知県岡崎市に焼肉 山 をオープンさせました。

 

そのころから会社の風向きが変わってきました。

 

他の社員の仲間たちも僕の夢を応援してくれるようになり

いつしか、社長と僕の香川出店の夢は

会社全体の目標に変わっていきました!

 

焼肉 山をオープンした最初のころはなかなかお客さんも来ず

苦しんだ時もありました。

しかし、僕には心強い仲間がいました。

みんなで協力しあい、ラーメン屋・焼肉屋の垣根をこえて

会社が一丸となって頑張りました。

 

 

気がつけば…

 

あの約束から10年が過ぎていました。

 

 

しかし、10年後。

みんなの目標は形になりました!

あらたに始めた新事業。

焼肉店は2店舗がそれぞれ食べログ1位を獲得する人気店になりました!!

 

 

そして…その結果…

 

 

ついに2018年4月1日

 

香川県高松市多肥下町に『焼肉 正』をオープンする事ができました。

それと同時に、僕と嫁は再びこの地で家族と暮らせるようになりました。

 

オープン数日後…妹たちがお店を訪ねて来ました。

社長を見つけると、

真っ先に駆け寄り涙ながらにこう言いました。

 

『約束守ってくれてありがとうございます。ねえちゃん帰してくれてありがとうございます』

 

社長は言いました。

『10年もかかってしまったよ。待たせて悪かったね」

 

妹はだまって首を横にふりました。

 

 

そして、みんなの思いが詰まった

焼肉 正の店内で家族そろって焼肉を楽しみました。

 

 

会社が一丸となって叶った香川県出店。

しかし、僕にとってはこれがゴールではありません。

むしろ、ここからがスタートです。

いつかのラーメン屋の時のように

閉店して帰る…なんて選択肢はありません。

 

今後、死ぬまで。いや死んでからも香川県民です。

香川のために、一生懸命働きます。

どうか、よろしくお願いします!!